6月24日
「世界残酷物語」
「今日、会社で何すんの?」
『午前中はオスとメスを交配させて、
受精を確認したら午後はオスを処分。
明日の午前中、
受精卵からDNAを抽出したら、
その後メスも全部処分』
今朝の嫁との会話。
人間が生きていく為には
必要な事だけど、
人間に置き換えて考えたら
ものすごく残酷ですよね。
最後にセックスさせてもらえるのが唯一の救い。
最後のセックスなら、
何がいい?
僕は騎乗位がいいな。
みなさんこんばんは。
moon4です。
1ヶ月くらい前から
庭から玄関に続く石畳のアプローチの横に
アリの巣が出来て
毎日、大量のアリ達が
お仕事にいそしんでる姿を目撃しておりました。
黒アリは白アリの天敵であり、
黒アリのいるところには、
白アリはいない・・・らしいのですが
だとしても、
100匹、200匹、300匹、400匹と、
小さな黒い虫たちが、
家のそばで蠢いてる姿を横目で見ながら、
玄関を出入りするのは気持ちのいいものではないので、
粉末タイプのアリ駆除剤を買ってきて播いてみました。
この薬、蒔くと
蒔いた途端そのへんを歩いてるアリたちは
のたうち回って死んでいきます。
その後1〜2日程度は姿を見かけないのですが、
3日も経過すると
駆除剤を播いたのなんてなかったかのように
再びアリの巣が構築され、
500匹、600匹、700匹の
アリたちが足下で蠢いています。
こりゃあかんなぁ・・・
この薬全然きかねーじゃん
・・・ って思っていたのですが、
先日とうとう
使用を躊躇していた
禁断の兵器を使ってしまいました。
その名も
「アリの巣コロリ」
説明しよう。
アリの巣コロリとは、
10cm四方のプラスチックのケースの中に、
アリの大好きな匂いがする粉末の餌が入っています。
これをアリの巣のそばにおいておくと、
当然アリたちは大喜びでその餌を持って帰ります。
だが、しかし、
ここに罠があるのです。
綺麗なバラには刺があり、
僕のような美しい男には、
ドリルのような先っちょがとんがったちんこがあるように、
その粉末の餌には遅効性の毒が盛ってあり
その餌を食べたり、触れたアリ達は
数時間後その毒によって息絶えてしまうのです。
先日、
アリの巣の横にコロリを置き、
しばらく眺めておりました。
数分もしないうちに
1匹のアリがコロリの中に入り、
そして大慌てで出てきて巣に戻りました。
光景が目に浮かぶようでした。
「な、な、なんぜよ?ここは?
宝の山ぜよ。
こりゃ早戻って
大殿様に報告せねば。」
ごつーん☆
『アリ太郎、アリ太郎
おまん、そげぇ急いでどこ行くぜよ
おかげで、アタマばぶつけたぜよ。』
「おお、アリ馬、
おまんは、幼なじみだからおまんだけには教えちゅーぜよ。
そこの角を曲がったところに
大量の餌が落ちとるのを見つけたんぜよ。
やから、今からワシは
我らが大殿様であるヨウドウコウに
報告に行くきに」
ごめん、書いてて
めんどくさくなってので、
普通に戻します。
働きアリ達同士で
こんな会話をして
みんなで大急ぎでアリの巣コロリに行って、
そこから餌を巣に運ぶわけじゃん。
毒入りの餌をね。
額に汗して。
好きな子の事を考えながら働いてるアリもいれば、
自分の手柄を女王アリに認めて貰って
出世させて貰おうなんて考えながら働いてるアリもいると思う。
もちろん、家族の事を思いながら働いてるアリもいると思う。
今回のこの大仕事が終わったら、
土日とくっつけて、
2日くらい休暇を貰おう。
で、この休暇を利用して久しぶりに家族で旅行に行こう。
あいつら喜んでくれるかな?
・・・なーんて考えながらね。
あっ、そうだ。
今回、こんなにたくさんのご馳走があるし、
これを見つけたのはオレなんだから、
女王様にお願いしたら
少しわけて貰えるかもしれない。
今日の仕事が終わったら聞いてみよう。
こんなご馳走だもん。
あいつら喜ぶだろうなぁ・・・
こんな事を考えながら働いてるアリもいると思うんです。
でだ、仕事が終わって、
女王直属の家来の方に事情を話すと、
女王様のご慈悲で、
少しだけ今回収穫された餌を分けてくれると言うんです。
ああ、女神さま。
アリちんは、
何度も何度もお礼を言って、
わけてもらったご馳走を大切に抱えて、
大急ぎで家路に向かうわけですよ。
今、自分の腕の中にあるご馳走達を
嫁や娘達の前に並べて
どうよ?お父さんすごいだろう?
こう言ってるところを想像しながら。
想像が現実に。
どや顔で、
鼻の穴をふくらませて家族の前に
次々とご馳走をならべていく
アリちん。
毒入りのご馳走。
何も知らずに、大はしゃぎしてるアリちん家。
走り回るアリちん家の次女。
沈黙と静寂と無。
仕事の疲れと汗と汚れを
シャワーで洗い流してきたアリちん。
バスタオルでアタマを拭きながら、
とりあえずビールかなぁなんて考えながら
脱衣所から出てきたアリちん。
その目に飛び込んできた光景。
火のかかったままの鍋。
まな板の上にのった調理しかけの食材達。
いろんなお皿に
綺麗に盛りつけようとしてる途中の
自分が持って帰ってきた食材達。
そして
その前で血を吐いて倒れている家族達。
こういう事ですよね。
アリの巣コロリって。
残酷すぎると思いませんか?
だからイヤなんです。
絶対使いたくないんです。
あまりにもかわいそう過ぎて。
まぁ、普通に使ったけどなー。
てか、これすごいね。
どんな薬まいてもちっともきかなかったのに、
これ置いて1週間たつけど、
あれだけ大量にいたアリ達が
いまだに1匹も見かけない。
文字通り
殲滅。
ああ、世界残酷物語。
追伸:
ランキングに登録してます。
良かったら応援してください
|
|