この小説らしきモノを、
今日31回目の誕生日を迎えた僕自身に捧げる。
誕生日おめでとう。
ten years
〜彼女2〜
仰向けの姿勢でベッドの上に横たわり、
そそり立ったペニスを丁寧に愛撫されていた。
やがてソレは口に含まれ、
彼女の顔がゆっくり上下に動き始める。
つぼめた唇。
からみつく唾液。
舌。
動きにあわせて、首からさげている、
ネックレスの先についた小さな三日月の形のオブジェが、
僕の左足の付け根をなぞる。
冷たく、そしてくすぐったいような感触。
その微妙な感触が、なんとも言えない快感に変わり僕を包み込む。
ネックレスが足の付け根をゆっくりなぞるたびに
形容しがたい声が出る。
僕の喘ぎ声に気を良くしたのか、
ペニスへの愛撫の速度が増す。
奥深くまで飲み込まれてるのを感じる。
カラダが押しつけられる。
ネックレスに加えて、乳首が、髪の毛の先が
僕の左足の上を刺激する。
乳首が擦れるたびに、
彼女の口からもれる、わずかな吐息。
そして、その吐息に僕の性感はますます高まり
断続的に声がでる。
あっ・・・
ねぇ・・・
も・・・お・・・ダメかも。
お・・・ねが・・・・・い
と・・・・・め・て
ね・・ぇ・・
イ・・・っちゃ・う・・よ。
あっ・・・・・・・・・・
すんでのところで、彼女の口から逃れる。
不満げに顔をあげる彼女。
「なんでぇ? イっていいのにぃ。
イクとこみたいのに・・・」
「もうイヤだって。
だって今日はもう、2回イっちゃてるんだよ。
恥ずかしいよぉ・・・。」
部屋に入ってから、ちょうど2時間が過ぎようしていた。
通常の休憩なら、ベット脇におかれた電話が、
そろそろ終わりを告げる為に鳴り始める頃だろう。
幸い、時間は深夜。
この時間のいわゆるその手のホテルは、
宿泊という選択肢しか選べないシステムになってるらしい。
らしい・・・
ラブホテルの仕組みをきちんと理解したのはいつだっただろう?
お金の払い方だって、バスソープの使い方だってなんだって覚えた。
今では、普通に使える。
そう。
部屋に入って以来、僕たちはずっと裸だった。
そしてわずか2時間という短い時間で僕は、
彼女の献身的と言うより、
むしろ狂信的な愛撫を受けて、2回射精していた。
もう少しで3回目のエクスタシーを迎える瞬間、
かろうじて彼女の手から逃れた。
僕にだって意地がある。
僕が2回射精する間に、
彼女は1度たりともエクスタシーに達していなかった。
もっと言うなら、2回射精する間に
僕が彼女にしたことと言ったら、
小鳥のようなキスと、
洋服を脱がし、
紫色のレースと同じ色の糸で刺繍がほどこされた、
白のブラジャーのホックを外しただけであった。
この手の女。
積極的に男を責めて、責めて、責めて、
狂わんばかりの喘ぎ声を男の口から吐き出させ、
男が快楽と苦悩に顔を歪めながら、
ペニスの先から吹き出すように精液を吐き出すのを眺めて
ほくそ笑むタイプの女。
男の痴態を見ることによって、エクスタシーを感じる女。
このタイプの女に遭遇したのは、
今日が初めてと言うわけではない。
だから、特別とまどうことはなかった。
伊達に歳はとってない。
伊達に女の子と寝てきてない。
彼女がナニを望んでるかは手に取るように分かる。
僕がもっともっと乱れれば、乱れるほど、
彼女は、歓喜の声をあげるだろう。
だが、僕にだって意地がある。
「いいじゃない。どうしてイッってくれないの?
ガマンしなくていいのにぃ・・・」
「だーかーらー、もう沢山イッったって。
お願いだから、今度は俺にさせてよ。」
「いーや(笑)」
「なんで?」
「だって・・・あなたのあの時の声。
すごーくかわいいんだもん。
女の子みたい。
あなたのイク声を聞いてるだけで、私までイッちゃいそうよ
だーかーら、もっと、もっと、き・か・せ・て。」
死ぬ程恥ずかしかった。
俺・・・そんなに声出してたっけ・・・?
自分に問いかけてみる。
ダメだ
憶えてない。
ただ、アタマに血がのぼっていくのを感じる。
耳が燃えるように熱い。
恥ずかしい。
彼女が死んだあの日から10年が過ぎた。
今日は僕の誕生日だった。
31歳になる。
目の前にいる子、
この女はいくつだっけ?
24か5ってあたりが妥当なところだろう。
6つ以上年下の女の子に
「あの時の声がかわいい」と言われても・・・
繰り返す。
僕と寝た後、世の全てを呪う言葉をメモ用紙に書き殴り、
首をつって死んだ彼女。
あの事件から、もう10年が経過し、
そして僕は今日、10回目の誕生日を迎えた。
31歳になった。
この10年・・・
仕事の都合で住所を2回変えた。
住み慣れた土地を初めて離れる時、
この世の終わりだと思った。
知らない土地へ向かう電車に乗る瞬間、
カラダをまっぷたつにちぎられた感じがした。
痛かった。
新しい土地。
人口4万人の小さな町。
いわゆる、田舎と呼ばれる場所
10月の末には雪が降り、
冬の間中、ほとんど毎日、鉛色の雲が空を覆っているような雪国の小さな町。
僕がそれまで育ってきた場所とははまったくもって違う環境の町。
最初の1年は、その田舎故の閉鎖性に辟易し、
時にその閉鎖性のおかげで涙すらした。
初めて知った。
どうやら僕は、とびっきりの寂しがり屋らしい。
一人で生きていけるなんて思わない。
だが、僕の場合、
必要以上に周りの人に依存して生きてきたという事実を、
この土地に住んで初めて、そして痛切に感じた。
周りに友人がいないのが淋しくてたまらなかった。
況や寝る女の子なんて・・・
人口4万人の町。
あたりを見渡しても、
おじいちゃんと、おばあちゃん、子供達くらいしか見あたらない。
実際はそんなことはありえないんだろうが、
少なくとも僕の目に映る限りでは、
同世代の男の子と女の子達は、その世代が赤ん坊の頃、
赤ちゃんだけが感染する、ものすごい伝染病がその町一体でで流行って
死に絶えてしまったのでは?
だから、この土地には僕と同じくらいの世代は存在していないのでは?
と思えるほどだった。
そんな、土地だったけど、
2年が過ぎ、3年が過ぎた頃、
ふと、ある事に気がつく。
自分の周りに沢山の友人が出来てる事に。
特別ナニかがあったわけではない。
だが、僕の周りには絶え間なく友人がいるようになっていた。
こうなると、ゲンキンなもので、逆に田舎の閉鎖性がココチよくてたまらなかった。
どこに行っても、自分を知ってくれている人がいて、自分を受け入れてくれる。
こんなぬるま湯のようなスバラシイ環境が世界中のどこににあると言えるだろうか?
とすら思うようになっていた。
たった一つだけ、難をあげるなら、
あんまり女の子とは寝なかった。
なぜなら・・・
そう。
僕が寝たいと思うような、そんな世代の女の子の絶対数はやっぱり少なかったからだ。
この事に関しては、人口4万人という町で暮らしているという事実を肌で感じていた。
恨んでもいた。
そんな雪国の小さな町での、ささやかな僕の幸せな暮らしは、
4年目の春がおとずれようとしていたある日、
「転勤辞令」と言う、たった一枚の紙切れによって、
突然、終止符を打った。
その土地を離れる頃・・・
僕はもう真人間になれたような錯覚をしていた。
「俺はもう平気だ。狂ったように女の子と寝なくても平気だ。」と
2番目の土地。
そう。
今住んでる、この土地に来てもう3年が過ぎようとしていた。
生まれて初めて住む県庁所在地という場所。
人口70万人という街。
やっぱり僕の病気は治っていなかった事をこの街で改めて認識する。
引っ越してきたと同時に、堰を切ったように僕は再び
不特定多数の女の子と寝るようになった。
彼女が死んだあの頃となんら変わっていなかった。
それどころか、
あの頃より数段ひどくなってような気がしていた。
これも歳をとると言うことなのだろうか?
あの頃に比べて、
女の子の気持ちが手に取るように分かる気がした。
女の子がナニをを欲してるのか、
どんな言葉を欲してるかが、
手に取るように分かるようになった気がした。
彼女達が欲してる言葉を与える。
その代償として僕はその子と寝る。
感じる。
与える。
代償を受ける。
it's all.
ただそれだけだ。
夜、寝る前に今まで寝た女の子の事を考えたことがある。
名前を思い出して、数を数えてみようとしてみた。
何人かの名前は思い出したが、
自分があまりに不毛な事をしてる事に気がつきやめる。
きっと、全員の事を思い出すなんて出来ないから。
全員どころか、この土地にやって来て、寝た女の子の名前ですら
思い出す自信がなかった。
あの子と、あの子、その子と、あれと、あそこで寝た子と、
あそこで働いてた子と、飼い犬が可愛いって言ってた子と・・・
と、いう感じである。
見栄はってるわけではない。
うん。
今まで千人以上は寝たなぁ・・・とかってわけじゃない。
でもしかし、
名前を覚えてられないくらいの数の女の子と寝たような気がする。
肌を重ねたのは一瞬だったかもしれない。
でも、一時的にではあるかもしれないけど、
その瞬間、僕の性器は、間違いなく彼女達の濡れた性器の中に収まっていた。
なのに、特徴どころか名前すら忘れてしまってる女の子達・・・
逆に考えるなら、
僕が今まで寝た女の子達の中で、
一体何人が僕の事を憶えているだろう?
そして、僕はこの土地に来て何人目か分からない女の子と、
明日になればきっと名前すら忘れてしまう女の子と
この日、3回目のセックスをしていた。
いや。
もっと正確に表現しよう。
おそらく「31歳の誕生日に寝た女の子」という名前で
僕の脳みその片隅に刻まれるであろう女の子に、
3回目の射精に導かれる寸前であった。
恥ずかしげもなく、
大きな声で、
喘ぎ声をあげながら・・・
2ヶ月前からスポーツジムに入会して、暇を見つけては通ってる。
ムキムキと隆起した筋肉が欲しいとは思わない。
だからこそ、ジムでマシントレーニングなんてもっての他だと今までは思っていた。
にも関わらずジムに入会した。
カラダのラインの崩れから、
30歳という年齢を痛いほど感じたからだ。
僕はどちからと言うと、筋肉がつきやすい体質だと思う。
だからこそ、マシントレーニングは絶対行わない。
時間がある限り、チカラを抜いて、ゆっくり、のんびり、
プールで泳ぐ。
1kmくらい泳いぐと飽きちゃってやめる日もあれば、
長い時間をかけて3km以上をのんびりと泳ぐ日もあった。
ゴーグル越しに見るプールの中は、
時に澄んだ水色であり、
時に濁った灰色であった。
その先にある不確かなナニかを掴み取ろうと、
時に必死で手を伸ばし、かきわけ
時に無心で手を伸ばし、かきわけたが、
やっぱり、僕にはその不確かなナニかを手に取る事は出来なかった。
ただ、ただ、25mの狭い箱の中、
行ったり来たりを繰り返しているだけ。
ちょうど今、
僕の左足の上をなぞっていた三日月のオブジェのように。
彼女とは2週間前に、このジムで知り合った。
僕たちが入っているジムでは月に1度、
無料で体力測定というものをやっていた。
「己を知る。あなたの筋肉年齢はいくつですか?」
壁に貼ってあったポスターのこのキャッチコピーが気になって、
大人になって初めて体力測定と言うのを受けてみた。
自信はあった。
ジムに入る以前も、少なくともこの5年間は、
週に3回以上はなんらかの運動をするよう心がけてきた。
体力測定の日、ジムには普段より沢山の人がいた。
そしてその沢山の人の中に・・・彼女もいた。
「2人でチームになってくださーい。」
言葉が悪いけど、筋肉バカという形容詞がぴったりの女性が
前の壇上でマイクを持って叫んでいる。
理由は分からないが、
叫ぶたびに、マイクを持ってない方の左腕をぐるぐる回す。
薄い黄色のポロシャツの袖から伸びた筋肉隆々の腕がぐるぐる回る。
日に焼けた腕。
スポーツジムのインストラクターとしては
典型的なカラダ。
そしてその色気のなさ。
説明を聞く。
体力測定は2人組で行うらしい。
見渡すと、参加者のほとんどが友人同士、恋人同士、ご夫婦と行った感じで、
2人組で参加している。
「お一人の方は手をあげてくださーい。」
筋肉女がマイク越しに再び声を張り上げる。
左腕を回す。
「はい。あなたは、あなたっと。そこのあなたは、右のあなたとっ」
左腕を回すのをやめて、
指さしながら見ず知らずのモノ同士をくっつけて2人組を作っていく。
やり手のお見合いばばあみたいだなぁ・・・って
そんな姿を見ながら心の中で笑ってる時、
「そこの彼っ。そこの彼は横の彼女と一緒になって下さい。」
指さされた。
そこの彼が・・・
僕だった。
横の彼女が・・・
彼女だった。
ウィルソンの紺の短パンにニューバランスのスニーカー。
折れそうな細いウェストと対照的に、ほどよく張り出した乳房が、
赤のアディダスのTシャツの胸を天井に向けて突き上げていた。
バランスの取れたカラダ。
挑戦的な切れ長の目。
前にかがむ度に、うなじから見え隠れする、銀色のネックレス。
壇上で叫んでる筋肉オンナにくらべて、
否、比べる方が失礼だろうが、
コケティッシュという形容詞がぴったりな女の子だと思った。
見た途端、僕は彼女と寝たいと思った。
そして1時間という体力測定の時間は、
充分すぎる時間であった。
「今度、御飯食べにいこうよ。
オイシイものご馳走するから。」
体力測定を行った日から、
ちょうど2週間が経過した今日、同じ時刻、
僕たちは市内の小さな南仏料理店のテーブルで
ロウソクを挟んで向かい合って座り、語り、
ワインを1本空にしていた。
メインで出た、子羊のカツレツのトマトソース煮が絶品だった。
体力測定を行った日から、
ちょうど2週間と3時間が経過した頃、
僕たちは、雰囲気はいいが、びっくりするような値段のチャージを請求する
バーのカウンターに座り、
1杯あたり、ディスカウントの酒屋で買えば、
ボトル一本が楽に買える値段と同じ価格のバーボンを水のように飲んでいた。
マスターのいるあの店なら、
城門のように重い扉がついたあの店なら、
この店の一人分のチャージとバーボン1杯分の値段だけで、
2回、昏睡状態に陥れる量の酒と、
プール一杯分の鼻血を吹き出せる量の、
落花生を食べる事が出来るだろう。
体力測定を行った日から、
ちょうど2週間と5時間が経過した頃、
僕たちは、裸で抱き合い、
否。
僕は彼女の手によって裸にされ、
アタマの先から、つま先まで、
はたまたお尻の穴まで・・・
文字通り、全身をなめ回され、
あられもない声をあげながら、
彼女の手に1回、口に1回射精をし、
そして、今まさに再び彼女の口の中に、
3度目の射精に導かれる寸前であった。
僕にだって、意地がある。
伊達に歳はとってない。
伊達に女の子と寝てきてない。
彼女がナニを望んでるかは手に取るように分かる。
僕がもっともっと乱れれば、乱れるほど、
彼女は歓喜の声をあげるだろう。
だからこそ、彼女の期待を裏切ってみようと思った。
「ねぇ、俺にもさせてよ。」
「だーめ。そのまま寝てて。」
「イキたい時、好きな時イッていいからね。
ただイク時だけはきちんと教えて。
イク時の顔をきちんと見せて。」
「そんなのイヤだよぉ。」
「いいからぁ。私に好きなようにさせて。
その方があなたも楽でしょ?」
「やめろっ!」
少しだけ大きな声をあげ、
カラダを起こして彼女の上にのしかかる。
驚いたような表情で、下から僕を見上げる彼女。
間接照明の柔らかな光が、仰向けに寝てもほとんどカタチが変わらない、
彼女の乳房を優しく照らす。
右側の乳房に顔を埋めると同時に、
パンティーの中に左手を伸ばす。
ぬちゃっ
小水?
びっくりして手をひっこめそうになる。
そこにあったのはもはや愛液という名前で、
濡れていると形容されるようなモノではなかった。
なんと表現すればいいだろう・・・
溢れてる
この言葉が一番ぴったりだった。
「すごい・・・」
「いやっ。」
枕の方に顔を埋めよとする彼女の顔を、
右手で強引にこちらに向けてキスをする。
舌を吸う。
息が続く限り、舌を絡める。
彼女の唾液吸い取る。
絡める。
パンティーの中の左手は
的確にクリトリスをとらえ、
人差し指の先でリズミカルにはじく。
あふれかえる蜜のせいか、必要以上指が動く。
指の動きにあわせて、クリトリスが固くとがっていくのを感じる。
指の腹におもいっきり蜜をつけて少し乱暴にこねくり回す。
息が続かなくなって唇をはずすと同時に、
彼女の口からあふれ出す嗚咽。
指の動きに併せて、静かな部屋に響き渡る下着越しの湿った音。
まとわりつく音。
耳元に顔を近づけてもう一度ゆっくりこう呟く。
「すごいね・・・」
「いやっ」
「ナニが?」
「いやっ・・・」
「だから、ナニが?」
言葉とはウラハラに指の動きは速度を増す。
時折、その指は、膣の入り口まで下りてくるが、
決して挿入はしない。
入り口をなぞるだけ。
パンティーの中から湿った音が聞こえるたびに、
何度も意地悪につぶやく。
「すごいね・・・」
人差し指の先がとがったクリトリスを包皮の上からこねるようにはじき、
同時に中指の先が規則正しく膣の入り口を右回りになぞる。
膣の一番真ん中の上を指が通過するたびに、
彼女の腰が浮き上がるのが分かる。
入り口付近を這い回る指を
なんとか自分の中におさめようとして・・・
「すごいね・・・」
「いやっ。」
「ナニが?」
「いやっ・・・。」
「俺、今までナニもしてないよねぇ・・・
キスしただけで。
なのに、こんなになるんだ?」
「言わないで・・・」
「へぇ・・・。
俺のを舐めてただけで、
まんこ、こんなになっちゃうんだぁ・・・」
「いやぁーーーー。」
恥ずかしそうに顔を隠そうとしてる姿、
先ほどまでとは、まったく正反対になった二人の関係。
先ほどまでは、
やや横柄ともとれる態度をとっていた彼女。
そして、今、
僕の指の動きに併せて泣きそうな顔をして、
腰を浮かせている彼女。
このギャップの大きさが、あまりに小気味いい。
「イヤラシイオンナだなぁ・・・」
この言葉と同時に、
彼女が自分の中に導き入れようと、腰を浮かせるのに併せて、
人差し指を一気に膣の1番深い所に差し込む。
ぐちゅっっっっ・・・・・
ひときわ大きな音が下着の中から聞こえ、
彼女の口から驚愕したような大きな声が発せられる。
あっっっ・・・・・・。
指の先で、膣の上側のザラザラとしたアタリを2回つつくと同時に、
がくんがくんと全身を痙攣させ、
声にならない叫び声をあげて、
彼女はエクスタシーに達した。
エクスタシーに達する寸前の指を窮屈にしめつけてくる膣のチカラ。
その強さに、エクスタシーの深さを感じる。
下着の中から腕を抜き、
息が整うまで優しく抱きしめる。
髪をなでる。
少し落ち着いた様子を見て、おでこにキス。
節目がちに僕を見ながらこうつぶやく。
「は、はずかしい・・・」
その仕草と言葉が、ほんの少しかわいいと思った。
僕は笑いながら彼女を見つめ、
彼女の耳元に口を近づけて
少し意地悪に囁いた。
「イク時はちゃんと教えてね。
イク時の顔、見たいんだから・・・」(笑)
おもむろにカラダを起こし、
彼女の上品な紫のレースがついた白のパンティーを一気に引き下ろす。
僕の存在意義ともいえるペニスを一息に挿入する。
否。
突き差す。
彼女の中に。
もれる吐息。
溢れ出す蜜。
部屋中にひびき渡る粘膜が摩擦される音。
単調にならないように工夫しながらも、
自分の欲望に忠実に腰をグラインドさせる。
僕の腰の動きに併せて、彼女も必死に腰を振っているのが分かる。
より深い挿入感を感じる。
彼女がエクスタシーに達するたびに、
体位を変える。
彼女の膣の中をいくらかき回しても、僕は射精しそうになかった。
年齢から来る余裕だろうか?
あの頃ならこういうセックスは絶対不可能だったろう・・・
年齢以前に、2回射精してるという事実が、
この余裕を生み出させている一番の要因には違いないが・・・
僕が下になる体位が、2回目にめぐってきた時、
はげしく動く彼女の腰の動きに併せて僕は射精した。
イク瞬間、すばやくペニスを抜き
彼女のお尻に向けてしたたかに精液を降り注いだ。
ペニスに違和感を感じて目が覚めた時は、
3回目の射精から数時間が経過していた。
射精と同時に眠ってしまったらしい。
放出した精子のおかげで、僕のペニスにはシーツが貼り付いていた。
シーツをゆっくり外して起きあがると、
横で静かな寝息をたてながら、彼女は眠っていた。
彼女のお尻も僕同様に、
精液のおかげでシーツが貼り付いていた。
その姿を見て、声を出さずに少し笑った。
彼女を起こさないように、気をつけながら
ベットから抜け出し、備え付けのソファーに座る。
ふー・・・
と、溜息をひとつ。
そしてつぶやく。
「今日・・・俺・・・誕生日だったんだよなぁ・・・
ナニやってんだろう・・・・・・」
ある事を思い出す。
ちょうど10年前の今日、21歳の誕生日に読んでいた小説。
僕が尊敬する作家。
彼が、その作中でこんな話を書いていた。
真っ白なノートの真ん中にまっすぐな線をひく。
右側にこの10年間で得たモノを
左側にこの10年間で失ったモノを書いていくと言う話。
ステキな話だと思う。
そして、僕もそれがやってみたくなった。
小説を読んでちょうど10年が経過した今日、
あの事件から10年が経過して初めて迎えた誕生日だった今日、
あの日と同じように、
見ず知らずの出会ったばっかりの女の子と寝てしまった今日、
そんな今日だからこそ、今ここで僕はそれをやってみたいと思った。
それをやるべきであって、
他の選択肢は、なんら持ち合わせていないと思えた。
精液の付着したシーツを尻にかけて寝てる女
脱ぎ散らかされた洋服。
汚れた下着。
ラブホテル特有の湿っぽい空気。
照明。
この作業を行うのに、これ以上最適な場所はないと思えた。
アポロ。
ホテルの名前の入ったボールペンとメモ用紙が
同じく備え付けのテーブルの上においてある。
アポロが月に到着したのは、
僕が生まれる前の出来事だったが、
僕はアポロで性交をした。
そんな下らない事を考えながら、
メモ用紙の真ん中に力強く、乱暴に線を引く。
特に理由はないが、とりあえず
右側側から書いて行こうと思った。
この10年で得たものを。
女性の扱い方。
お金。
ラブホテルの使い方
セックスのテクニック
・・・
思いつくモノはほとんどなかった。
右側に書いていくのを諦めて、
左側を書き始める。
この10年で失ったものを。
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とまらなかった。
途中でメモ用紙から溢れそうになり、
字を小さくして書くが、
書けども書けども、いくらでも思いつく。
左側にばかり並ぶ項目。
左側ばかり黒くなっていくメモ用紙。
気がつくと僕は声をあげて泣き出していた。
ちょうど作中の人物がそうしたのと同じように。
10年と言う歳月は
あまりに残酷に僕から沢山のものを奪っていったのだと気がつく。
僕は両手で抱えきれないくらい沢山のモノを失ってしまっていた。
31歳の誕生日、その事実を目の当たりにして、
声にならない叫び声をあげて泣いていた。
寝てる彼女への気遣い?
違う。
言葉が出ないだけ。
ただただ、後から、後からあふれ出す涙と嗚咽。
それを止める事が出来なかった。
どれくらいの時間が経過したのだろう・・・
左側だけが真っ黒になったメモ用紙は
僕の右手の中でぐしゃぐしゃになった状態で握られていた。
にじんだまま渇いてしまった文字。
乱暴に破り取られ波打ったメモ用紙。
顔をあげると、ベットの上には、
名前すら覚えていない女が、裸で寝ている。
僕はおもむろにホテルの名前の入ったボールペンを握りしめ、
テーブルの上のメモ用紙を自分の方に引き寄せ、
そして、
書き始めた。
この小説らしきモノを、
今日31回目の誕生日を迎えた僕自身に捧げる。
誕生日おめでとう。
ten years
〜彼女2〜
仰向けの姿勢でベットの上に横たわり、
そそり立ったペニスを丁寧に愛撫されていた。
やがてソレは口に含まれ、
ゆっくりと彼女の顔が・・・
静かな寝息と、メモの上をすべるペンの音だけが
部屋の中のすべての音を支配していた。
了
2003 12 19
あとがきにかえて
このキーワード、「ten years 〜彼女2〜」は
表題から気づいた方もいらっしゃると思いますが、
keyword4−12「彼女」の続編的スタンスに立って書いたキーワードです。
ただ、100%フィクションだった前作に比べて、
本キーワードでは、
この10年間で僕の周りで起きたさまざまな実話を取り混ぜながら書いてみました。
どこまでがフィクションで、
どこまでがノンフィクションか、
そんな無粋な事は書きませんが・・・
ある程度の実話を取り混ぜて書いたこのキーワード、
だからこそ、この「ten years 〜彼女2〜」と言うキーワードは、
僕にとって、自伝的キーワードとしてとらえておこうと思います。
作中の時間と、現実の時間。
それぞれの時間が、
重なりあい、
同時に進む。
刻む。
昨日僕は誕生日を迎えた。
そしてこのキーワードを書き上げた。
このキーワードを、
今年30代を迎えたあなたに、
随分昔に30代を迎えたあなたに、
10年後、20年後に30代を迎えるあなたに、
そう、
この長い駄文を、飽きる事なく最後まで読んでくれたすべての方に捧げます。
これからのみなさんに幸あることを
そして、
昨日、誕生日を迎えた僕の今日からの1年が、
幸福に満ちあふれることを
祈りながら・・・
2003 12 20
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今日書いたkeyword、気に入っていただけたら、
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