前に戻る topに戻る
なるくん
花火 2003
ナルくんです。 ナルくんのイミが分からない方、
まずダイジェストの「泣」の方を何本か読んで、
ナルくんの意味を理解して頂いた後、読んで頂ければ幸いです。
→初心者さんは、ダイジェストにジャーンプ
今日は熊本の花火大会でした。
熊本に住むのは2年のつもりと、
自分の中で勝手に次の人事を決めこんでやって来た僕でした。
だからこそ、まさかこの場所で3回も花火を見る事になるとは思ってもいませんでした。
熊本に来た最初の年の花火。
僕は8つ年下の女の子と手を繋いで空を見上げてた。
彼女は誇らしげに、買ったばかりのフジフイルムのデジタルカメラを
夜空に向けてかざしていた。
彼女とはスーパーの味噌売り場で出会った(笑)
熊本に来たばかりの僕は、スーパーの味噌売り場に、
見たことのない銘柄のお味噌がずらーっと並んでるのを見て、途方にくれていた。
そこに彼女はいた。
ちょうど味噌の棚卸しをしている最中だった。
「ねぇ、ちょっと聞いていい? どのお味噌が美味しいの?」
この言葉が始まりだったと思う。
気がつくと、僕たちは時々一緒に飲むようになり、
彼女は仕事が翌日休みの日は、僕の部屋に泊まっていくようになった。
でも僕たちが恋人同士だったかと言うと、そういう関係でもなかった。
彼女には職場に思いを寄せている既婚の男性がいて、
そして、僕にも・・・
僕たちはよく一緒にお酒を飲んだ。
時々ふざけてキスをした。
お互い気が向くとセックスをした。
そして、2年前の今日。
二人で手を繋いで花火を見ていた。
「綺麗だね」って言いながら。
この場所で。
去年の花火。
僕は1つ年上の女の子と手を繋いで空を見上げてた。
彼女は自分の履いてきたスカートの丈の短さを呪いつつ、
座るとずれあがっていくスカートの丈を、
せわしなくあいた方の手で抑えて、花火を見上げていた。
もっとも、花火大会の途中、僕がミッフィーのタオルを持ってきてた事を思い出し、
彼女の膝の上にそれを乗せる事で、このスカート問題はことなきをえた。
出会った当時の彼女は、元カレと別れたばかりで、その話を聞いてるうちに仲良くなり、
僕が風邪をひいて寝込んだ時に、看病をしてくれた事がきっかけでより親密になった。
彼女はお酒が飲めない子だったから、デートの帰りはほとんど彼女の運転で帰った(苦笑)
熊本は僕にとってまだまだ未開の地で、
行ったことのない場所、行ってみたい場所に溢れてたから、
デートの場所にはちっとも困らなかった。
二人して色々なトコロに出かけた。
うん。
僕たちは恋人同士という関係だった。
でも、なぜか僕たちはあんまりセックスはしなかった。
もしかして彼女はその事について、不満に思ってかもしれないけど、
少なくとも、僕はなんとなくそういう気分になれなかった。
僕たちは、よくビデオを借りてきて見た。
時々映画館に足を運んだ。
お互いの気が向くと車に乗って、少し遠くへ出かけた。
そして、1年前の今日。
二人で手を繋いで花火を見ていた。
「綺麗だね」って言いながら。
この場所で。
花火
上る
開く
綺麗
消える
無
上
開
綺麗
消
無
上
開
綺麗
消
無
上
開
綺麗
消
無
刹那の感嘆と消滅の儀式。
目の前で何度も何度も繰り返される。
何度も何度も・・・
この【無】への瞬間を繰り返し目の当たりにしてるせいなのか、
僕は花火を見るたびに、
今までに失ってしまったモノを、いつも思い出す。
最初はなんとなく。
気がつけば、止められないくらい沢山の記憶が、アタマの中でフラッシュバック。
ちょうど、そう。今目の前ではじけた花火のように。
彼女のくちびる
口論になった映画のシーン
好んでつけていた水色の下着
ハンドルにぴったりくっついて運転する姿勢。
綺麗な文字
甘いお酒の匂いの吐息。
洗濯機に投げ込まれたお店の名前入りエプロン
やわらかな陰毛
荒れた手。
洗いモノ用のピンクのゴム手袋。
酔っぱらった僕が踏んで壊してしまった眼鏡。
濡れた性器
「俺忙しいからもう会えないわ」と告げた時の横顔。
「別れて欲しいんだけど・・・」と告げた時、他人事みたいに遠くを見つめていた瞳。
耳に響いたかすれた声。「綺麗だね」
耳に残った鼻にかかる声。「綺麗だね」
色々なこと
色々なこと・・・
今年の花火、誰と見てるんだろう。
並んで歩いていける人、
しっかり手をつないで、
一緒に生きていける人、
見つかったかな?
もう振り向くことないよね。
思い出すことはないよね。
一緒に見上げた、あの夏の花火。
最後の最後までワガママばかりでごめんなさい。
勝手にサヨナラ告げてごめんなさい。
たくさんたくさん傷つけてごめんなさい。
今年の花火。
誰と見た?
幸せに花火を見上げていてくれていたらいいな・・・と思う。
今日は熊本の花火大会でした。
熊本へは2年のつもりでやって来た僕でした。
だからこそ、まさかこの場所で3回も花火を見る事になるとは思ってもなかったです。
去年、一昨年と、変わらぬこの場所から、
去年、一昨年と、変わらぬ花火を今年も見上げた。
時は流れて、
僕の周りのいろんな事が加速度的に変化を遂げた。
でもね、見上げた花火。
うん。
花火だけは今年も、去年と同じ。一昨年と同じ。何も変わらず夜空に輝く。
変わった香り。
手のぬくもり。
変わらぬ花火。
相変わらずの僕。
2003 花火を終えて
追記:以下は去年、一昨年の花火の日記です。
→花火 2002
→花火 2001

2003 8 13 江津湖にて
(2003.8.13)

↑
keyword読んでくれてありがとうございます。
もし今日書いたネタ、気に入っていただけたら、
上のバナーを左から順に一回ずつ、
ぽちっと押してくれると嬉しいです。
更新の励みになります。
前に戻る topに戻る