3月16日
「どうよう 〜vol.6 背中を押す手〜」
妻の妊娠を聞いてから
ずっと考えていた。
悩んでいた。
生まれて来る子供を愛する事が出来るだろうか?
考えれば考えるほど、
苦しくて、
眠れない日々が続いた。
不安で押しつぶされそうだった。
でも、この思いを嫁に伝える事は出来ず、
努めて普通に振る舞った。
否、
振る舞っているつもりだったけど、
嫁はきっと気づいていたと思う。
オレの不安や悩んでいる事に。
もちろん彼女自身にも、
心配や不安はあっただろうし、
経済的な心配は
顕著なものとして、
共通の認識であったわけで。
「ほんとにいいの?」
何度か嫁からこう聞かれた。
「えっ!?何が」
こう答える事が精一杯だった。
不安で押しつぶされそうだったけど、
この思いをは自己解決しないといけないモノ。
決して嫁には言ってはならないモノ。
自分の中にそう言い聞かせてた。
でも、
どうしても、
一人で抱えていられなくて、
2人の友人に相談した。
自分の思ってる事を、
洗いざらい正直に話して
率直に意見を求めた。
オレはどうすればいいのだろうか?
少し前の P の中で、
書いた言葉。
世の中。
いつだってそう。
相談なんてそんなもん。
相談する前に、
自分の中で結論は出てる。
自分が決めた事に後押しの言葉が欲しくて、
こう告げる。
「ねぇ、相談があるんだけど・・・」
オレはどうすればいいのだろうか?
1人目は去年の12月に、
1人目の赤ちゃんが生まれたばかりの友人。
彼女の子供に対する思いは、
僕と同じモノ持っていた。
「子供が嫌い」
ずっとこう言ってた彼女が、
去年の秋、結婚して、
この冬、子供を産んだ。
だからこそ、
彼女なら僕の気持ちを分かってくれて、
答えを導いてくれると思った。
1通目はこんな返事が戻ってきた。
子供が出来たんだ。良かったね!
はっきり分かるまでは落ち着かないかもしれないけど大丈夫だよ!
私も妊娠が分かった時はすごい不安だったよ。
知ってると思うけど、
正直言って出産するまで子供はあまり好きじゃなくて、
そうに言うと冷たい人だと思われるから、
人の子供とか見たときは可愛い〜とか心にもないことを言ったりして。
初めて本当に可愛いと思ったのは妹の子供を見たときかな。
甥っ子姪っ子は特別だよね。
子供はいつかは欲しいと思ってたけど、
割と簡単に妊娠したから分かった時は感動とか全然なかったよ。
それより子供ができたら色んなことが限られて、
自分の楽しみがなくなるような気がして不安だったな。
しかも妊娠がわかってすぐヒドいツワリに悩まされて、
その時は作るんじゃなかったって毎日思ってたよ。
で、ツワリがおさまったら、
どんどん体重が増えて太ってきて鏡見る度にショックだし、
貧血になったり内臓が子宮で圧迫されて何するにも苦しくて辛いし。
妊娠するとマタニティーハイかマタニティーブルーの
どちらかになるらしいけど、
私は100%ブルーだったよ。
しかも産まれたときも感動とかなく、
あまり自分の子供って感じがしなかった(笑)
でも産まれてから一緒にいて泣いたり笑ったりミルク飲んだり、
おしっことかウンチしてるのを毎日見てるうちに、
どんどん可愛くなってきて産んでよかったって思うよ。
それに産後はホルモンバランスが崩れて感情的になるらしいけど、
私は夜中に抱っこして子供の顔を見てると、
この先、病気になったりしないかなぁとか学校に行くようになったら
イジメにあったりしないかなぁとか色々想像してると
涙がボロボロ出てきちゃって(苦笑)
自分ができることを全部してあげたいと思うよ。
それと高齢出産で心配かもしれないけど、
あなたの奥さんは2人産んでる経産婦だから大丈夫だよ。
私も産まれるまで心配でエコー写真をじっくり見たり、
ネットで障害について色々調べたり。
妹は2人目を妊娠したとき障害が出る可能性があるって言われて
すごい悩んでたの。
妊娠中に風疹になると危険で、風疹じゃないんだけど
定期健診の血液検査で風疹と同じ症状が出てるって
言われたらしくて。
結果問題なく産まれたからよかったけど、
もし堕ろしてたら二人目の子はいなかったわけだしね。
とにかく早くはっきりわかるといいね。
奥さんを大事にしてあげてね。
今から鉄分と葉酸をたくさんとるといいよ。
「それでも不安だ。」
と返事を送ったら、
間髪入れずに2通目の返事が来た。
大丈夫だよ 。
もう忘れたかもしれないけど、
私の実家の近くに「しまむら」があるじゃん。
子供ができる前は、あそこにいる客を見ると、
みんな子育てに疲れた感じで必死で安い服探してて…
絶対あの中の一人になりたくないと思ってたんだよ。
でも今はよく行くし、
気に入った服が見つかるとラッキーとか思う(笑)
今日も子守りと家事であっと言う間に一日終わっちゃって、
お昼ご飯もサンドイッチかじりながら洗濯物干したけど、
でもこうやって、あなたともメール出来たし、
所帯染みていくのは怖いから(もうだいぶ所帯染みてるけど)
簡単だけど人に会える程度に化粧もした(笑)
あっそれに、こないだ買ったマイケルジャクソンのDVDも
やっと1/3くらい見れた。
今まで簡単にできたことが
今では必死なんだけど充実感が何倍も違うよ。
ミルクをあげてるときは両手がふさがって何もできないけど、
その間は子供の顔見ながら妄想の時間だよ(笑)
この子が幼稚園くらいになったら海外旅行行きたいなぁとか、
旦那がもう少し子育てに慣れたら頼んで友達と食事に行こうとか。
そういう時間も楽しく思える。
旦那もそうだよ。
産まれるまでは自分の小遣いの心配したり
飲みに行けなくなることを心配してたけど、
今は友達に誘われても断っちゃたりして
逆に付き合いが悪くなったと思われないか心配になるよ。
子供ができたら今までの考えが100%変わるから大丈夫だよ。
それに奥さん一番辛い時期なのに仕事に行ってるだけでも偉いよ。
私なんか速攻で仕事辞めて
2ヶ月近く寝たきりで、
毎日死んだほうがマシって思ってたからね(笑)
まわりからみたらウツ病患者みたいだったと思うよ。
あんなに子供が嫌いと言ってた彼女から、
こんな返事が戻って来た事は驚きだった。
でも知ってた。
こういうメールが戻ってくる事は予測してた。
世の中。
いつだってそう。
相談なんてそんなもん。
相談する前に、
自分の中で結論は出てる。
自分が決めた事に後押しの言葉が欲しくて、
こう告げる。
「ねぇ、相談があるんだけど・・・」
> 子供ができたら今までの考えが100%変わるから大丈夫だよ。
2人目の友人からはこんなメールが来た。
彼女は僕よりひと回り年上で、
僕にとって母であり、姉のような存在。
人生の岐路に立たされた時、
何度となく彼女に相談をしてきた。
大切な友人。
むんちゃんは転職して、
かなりサラリーがダウンしたところに、
家を買い結婚したのね…
まだ若いからホント大変だと思う。
素敵なお家、好きな物、楽しい家族に囲まれて、
あなたが大変な生活を強いられてるとは
誰も思わないでしょうね…
奥さんが仕事できなくなると、
生活できなくなると言うのも分かる…
私も細々ながら仕事してたから、
食べることできてたもの。
旦那さん、17年間ずっと体悪かったから、
そのための費用もすごかったし…
子供たち二人が同時に大学生になって、
年間500万は彼らに使わなくちゃならなくて…
貯金は全てなくなったわ。
それでも親たるもの、妻たるもの…
ない袖を振りながら、精一杯やるしかなかったわ…
胃が痛くなるようなこともあって、
とうとう保険解約してお金作ったりしたよ。
やっと下の子が卒業するからホッとしてる。
でも毎月2回は旦那さんは東京まで診察に…
ったく、お金残らないようにできてるわね^^;
子供は未来への投資だと思ってる。
世の人のためになる人間になるよう、
育てる役目をいただいたと思ってる。
むんちゃんは自ら2人ものお嬢さんを育てる決心をして結婚。
そして今度は一つの命を新たに迎え入れる人生を選んだ…
きっと、深い意味があるんだろうね。
奥さんは出産するには大変な年齢だから、
産前産後は辛いと思うから、
若い旦那さんが
頑張らなきゃならないだろうしね…
近ければ乳母になってお世話もできたけど(笑)
結婚って、苦労を学ぶためにあるようなものよ…
それをしなきゃ、
人として学ぶことが薄くなるんだと思うわ〜
しばらくは自分のオシャレなんかはできない覚悟…
庭に少しでも食料になるような野菜類を育てたり、
スーパーのチラシで特売品を見て走る、
もちろん外食も高級食材もお酒もなし…
そうやってこれまでの食費を半分に削る努力。
そんな切り詰め方でもしないと、生きていけないよね…
大丈夫だよ^^
生まれて来る子供。
始めて生まれてくる子供でしょ?
それに対して自信がある親なんていないよ。
誰だって不安なの。
自信があるなんて言ってる方が怪しいものよ。
親は子供によって、親に育ててもらうのだから…
お金は不思議とどうにかなるものよ。
私だって、若い頃は通帳に1000円もないときもあったよ。
工夫して辛抱して我慢する時間も人間には必要…
どうにかなるさ〜ケセラセラ♪
立ち合い出産してごらん。
我が子は特別な想いで大好きになるから。
大丈夫よ。
むんちゃんはきっと優しいパパになるよ。
世の中。
いつだってそう。
相談なんてそんなもん。
相談する前に、
自分の中で結論は出てる。
自分が決めた事に後押しの言葉が欲しくて、
こう告げる。
「ねぇ、相談があるんだけど・・・」
> 始めて生まれてくる子供でしょ
> それに対して自信がある親なんていないよ。
> 誰だって不安なの。
世の中。
いつだってそう。
相談なんてそんなもん。
相談する前に、
自分の中で結論は出てる。
自分が決めた事に後押しの言葉が欲しくて、
こう告げる。
「ねぇ、相談があるんだけど・・・」
求めていた言葉。
欲しかった言葉。
嘘なんだ。
相談なんて何もないんだ。
最初から分かっていたんだ。
思っていたんだ。
「子供が出来た」
こう嫁から聞いた時から、
本当はオレ、
嬉しくて嬉しくてたまらなかったんだ。
でも、
同時にその事実が
不安で不安でたまらなかったんだ。
「子供が嫌いだ。」
「経済的に無理だ。」
「自分の時間が持てなくなるのがイヤ。」
この不安を肯定づける為の理由を
一生懸命探していたんだ。
でも、本当は嬉しかったんだ。
ただ、ただ、
この不安を誰かに分って欲しかったんだ。
「分かるよ。」
こう言って貰いたかったんだ。
この秋、
3人目の子供が出来る。
オレの子供が。
オレの子供が。
つづく
追伸:
3月9日から何回かにわけて、
この1ヶ月半の間、僕に、我が家に起きた出来事を日記にして書いていきます。
この日記、途中までリアルタイムで書いていましたが
出すタイミングを見計らっているうちに
出せずじまいで今日になってしまいました(>_<)
後半部分は現在執筆中です。
書いた日記について、いつもは掲示板等で感想を書いて頂くと
ものすごい嬉しいのですが、
今回の日記「どうよう」は、日記の最終章まで書き終えた後、
感想など頂ければ嬉しいなと思ってます。
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